澁江夏奈のブログ。

作曲家 澁江夏奈のブログです。

「マチ工場のオンナ」最終回ありがとうございました!!!

 

 

昨夜

ついに、最終回を迎えました。

NHKドラマ10「マチ工場のオンナ」。

 

 

なんと昨日、Twitterで「#マチ工場のオンナ」がトレンド入りするという事態に!!!

おめでとう!!!!!!㊗️🎉🍭🙌💓🍰🌈🐰✨

祝!!トレンド入り!!!!

大盛り上がりでしたね。

 

最後の週は、第6話と最終話を2話連続で放送するという変則的な編成でしたが

社長の急逝から波乱を乗り越え順調に進んできたダリヤ精機がリーマンショックを迎えバラバラになってしまう、本当に本当にしんどい6話から

大逆転が起こる最終話へとすぐに繋がることができ

逆に、勢いを絶やさずにドラマに引き込むことができたのではと。。。思っています。

 

今は、本当に終わってしまった、という

空っぽな気持ちと

もう有元社長や純ちゃんかっちゃんに会えない気持ちで

少し、寂しく感じていますが

 

「マチ工場のオンナ」に教えてもらったことは

『諦めずに、前に進む。最後の最後まで、やれることを探して動く』

ということ。

 

私も、次の自分のやるべきことに向かって進みたいと思います。

 

原作の「町工場の娘」を読んだ時、

中小企業の経営の難しさにすごく共感しました。

私自身も、「作曲家」という個人事業主をしています。

仕事が波に乗ってたくさん依頼を頂けることもあれば、閑散期が訪れることもあります。

そんな時、順調な隣の芝生が青く見えていじけてふてくされてしまわず

 

開かずの倉庫をスタジオに改築し・・・

みんなでサッカーをし体を動かして体力作りをし・・・

 

という、諏訪社長のエピソードには、景気や波にマインドを左右されない強さが大切だということを教えて頂きました。

このエピソードが出てきた6話は、とても印象深いです。

 

しかし7話、そんな有元社長もついに会社を畳む決意をします。

 

大ちゃんと電話で話すシーンに流れているピアノソロの曲ですが、これには実は裏話がありまして・・・

 

この曲は、お父さんがそっと背中を押してくれるイメージで作った「私を、見ていてくれますか?」のピアノソロバージョンです。

これは実は、レコーディング最終日、音響デザイナーの菊地さんが突然「録ろう!」とリクエストして下さり、急遽私がその場でアレンジして録音したものでした。

 

最初のテイクでは、ちょっと元気良すぎるアレンジになってしまい

 

もう少し、しっとり・・・というリテイクを頂き、2回目

 

実は最後の方、「ポロロン」という和音のアルペジオを弾こうとしたら「ポ ロロ」

みたいになってしまって、やり直したい!!と私は言ったのですが

全体的な雰囲気はとても良かった、とのことで修正もされず、

2テイク目一発録り・無修正のテイクが採用されました。

 

マチ工場のオンナの劇伴のピアノは全て私が演奏しているのですが、ピアノソロの曲はクリックも使わず、私が心の赴くままに演奏し

音響デザイナーの菊地さんに修正やOKを出して頂きました。

やはり、演奏者自身が演奏していて思うことと

スピーカーを通して、その音源を実際に使う方が思うことには

少し違いがあるので

こういう時は、作曲者であり演奏者である自分の感覚よりも、音響さんやディレクターさん達の意見を尊重します。

(もちろん私が超若手なのもありますが・・・・・・・)

 

しかし、実際ドラマで聴いてみると自分が失敗したと思った「ポ  ロロ」はどこかに行ったのか・・・?全然気になりませんでした笑

そういうものですね。

 

 

音楽だけでなく、演じられていた方々の熱演も本当に素晴らしかったドラマです。

個人的に、最終的に大好きになっちゃったキャラクターは断然長谷川さんです。笑

悪役と見せかけて・・・大根磨いてるじゃん笑

という。

 

実は、私は音楽を作る段階では4話以降の台本を頂いておらず

長谷川さんはまだ、ただただちょっと嫌味な銀行員だったのです。

まさか、7話までであんなお茶目なキャラクターに変貌を遂げるとは・・・笑

 

「長谷川のテーマ」

という曲もあるのですが、これは前半のキレキレで

有元社長に「お前」とか言っちゃう長谷川をイメージして作ったので

ちょっと・・・最後のキャラクターとはずれちゃったかな。

でも、この曲も色んな場面で使って頂きました。

作曲者の意図やイメージとは違う場面で思わぬハマり方をする・・・というのも

劇伴を作っていて面白いと思う事の一つです。

 

「マチ工場のオンナ」に関わってから放送が終わるまでの5ヶ月間、

音響デザイナーのみなさまがた、演出のみなさまがた、プロデューサーさま、

それから実際にお仕事中の工場を見せて下さった諏訪社長さま

そして原作「町工場の娘」の日経BP社さま(たくさんツイートして下さってました!)

 

このドラマに関わるたくさんの方々の愛と情熱に包まれた5ヶ月でした。

 

 

ドラマの制作って

思いもよらないところで人が作用しあって

生き物のように作品自体がむくむくと成長して動き出して

その過程をみんなで見守って

最後は、こんな作品になったね、って

それぞれの場所で見届ける、そんな過程が

私は大好きです。

 

これからも、もっともっと素敵な作品に関わっていきたい。

有元社長に、たくさん前向きなパワーをもらったので

「たあけっっ!!」って言われないよう

これからも頑張ろう!

 

落語心中から始まって、それを見ていた音響デザイナーさんからお誘いを受けたマチ工場のオンナで終わった2017年。

一つの作品が、また「新しい明日」をつないでくれることを、実感しました。

 

そう!大晦日、紅白歌合戦松田聖子さんが主題歌「新しい明日」を歌われます。

マチ工場の映像とかちょっと流れたりしないかなー(´・ω・`)

有元社長に会いたいなーーーー。。。

 

いやいや!前に進むのだ!

 

 

本当に幸せな2017年でした。

最後までご視聴頂いたみなさま、ありがとうございました!!!

 

 

 

 

再放送のリクエストをNHKへぜひ(❛ᴗ❛)✧