澁江夏奈のブログ。

作曲家 澁江夏奈のブログです。

FMシアター「丘の上の幸福」

 

前回、天てれには出てませんってブログを書いたところ、

勘違いしていた、、、などとのお声をいただくとともに

ビットくん、と言ってもらえるようになりました。

 

ちょっと嬉しみ。

 

思えば初めてのミュージシャンデビューも

作曲家デビューも

劇伴作家デビューも

テレビドラマ音楽デビューも

NHKさまなのでした。

ご縁を繋いでいただけること、これもまた嬉しい限りです。

 

色々とお世話になっているNHKさまですが、

 

今週末の土曜日放送されるFMシアター「丘の上の幸福」の音楽を担当させて頂きました。

 

www.nhk.or.jp

 

タイトルにある、「丘」これ、実は私が生まれ育った実家のある丘のことでした。

 

なんか台本を読みすすめていくうちに「これ知ってる場所だな?」と思い始め

演出家さまにお聞きしたところ、正解、とのこと。

だから私が音楽を担当させて頂いたというわけではないと思いますが、、、笑

 

 

皆様には、親友、っていますか?

人生で、親友、と呼べる人は二人といない、なんて話を聞きます。

おそらくこの物語に出てくる二人は、そんな関係だったのでしょう。

正反対で、自分にないものを持っていて、少し、羨ましいあの子。

もう、この世にはいないあの子からのメッセージが

人生の節目に、届きます。

 

 

4月7日(土) 22:00~22:50

NHK FMにて!

 

ぜひお聴きください。

 

 

「天才てれびくん」への愛と、「天才ビットくん」への感謝について

 

 

この10年間の間に、多くの人に言われ、多くの人に言ってきたことなのですが

ツイッターで想いを連投しました。

 

 

https://twitter.com/kana_shibue/status/974975884649160705

 

 

私は11歳から13歳まで、「天才ビットくん」というNHKの教育番組の音楽コーナー「Bレーベル」に、バンドメンバー(キーボード担当)として出演していました。

天才ビットくんは「ビットワールド」という架空の世界が舞台で、そのビットワールドで活躍してる売れっ子バンド、という設定だったかな。

 

それよりも前から私は芸能活動をしていました。

超絶可愛い妹が幼女の時、街で芸能事務所にスカウトされてレッスンに通い始めたものの超絶人見知りの妹はすぐさまドロップアウト→私がやりたい!と親にお願いして、妹と代わる形で私は事務所のレッスンに通いはじめました。

 

当時6歳、もうピアノやヤマハもやっていたので、自分としては更にお芝居やダンスのお稽古事が増える感覚で通い始めるものの

当然、子役としてドラマや映画に出演できる機会はなかなかなくひたすらレッスンに通いたまにオーディションに落ちまくりエキストラをやる日々を重ね

 

気づけば背も伸び、子役のオーディションが受けられなくなる11歳に私はなっていましたある日。

 

「楽器が弾ける小学生」が条件のオーディション情報を発見しました。そう。ビットルズのオーディションです。

尻込みする私の背中を父が押してくれ応募、そして驚くことに事務所から書類審査に受かったと連絡をもらいました。

 

オーディション情報が書いてあった細長い黒板を見た記憶は、未だに消えていません。

 

オーディションでは、当時流行っていた浜崎あゆみさんの曲をピアノソロにアレンジして弾きました。

それと、審査員の番組ディレクターやプロデューサーさん達に音を一音ずつ選んでもらって(例えば、Aさんは「レ」Bさんは「ソ」Cさんは「ド」とか)

その音をメロディーに即興で1曲作って演奏、とかもやりました。

(すごい驚かれましたが、ヤマハではみんな普通にやってました)

 

合格のお知らせをもらった時は、自分以上に家族が喜んでいたのを覚えています。

でも、クラシックしかやってこなかった私には圧倒的にポップスの知識が足りなかったので

ビットルズの活動が始まると同時に、ポピュラーピアノ&キーボードのレッスンに親は通わせてくれました。

そのレッスンが、ジャズを知るきっかけになり、今の仕事にも繋がることになります。

 

ビットルズとして活動した3年間は

それはもう刺激的な期間でした。

基本的にリハーサルは毎週土曜日、3ヶ月に1回、バンドのプロデューサーであるビットール岡田さんから新曲を頂いて、レコーディングやライブに向けてリハーサルを重ねていました。

レコーディングはNHKの局内スタジオで録音していました。

今思えば、私は11歳でNHKの某レコーディングスタジオのピアノを弾いて、プロのレコーディング現場に関わらせて頂いていたのです。

MVのためのロケや撮影も毎回毎回楽しかった。

更にビットルズが活動休止する前に放送された最後の曲では作詞作曲を担当させて頂いて

作家デビューまでも果たさせて頂いてしまいました。

 

当時の経験は、間違いなく財産です。

 

そして当時の私の活動を、友人も、学校も認めて応援してくれました。

 

子供の時から音楽業界のプロの方々にいろんな経験をさせてもらったこと

クラシックしかやってこなかった自分に、ロックやポップスを教えてくれたバンドメンバー

思春期とか反抗期とか色々あっても、一人前の大人として接してくれた当時のスタッフの方々

 

かけがえのない時間があって、今私はまた劇伴作家としてこの世界にいられる。

 

 

ので

 

 

天才てれびくん」に出てたと勘違いするのはやめて!!!!!!!!!!!!

 

 

というのが今回ツイッターで連投したりブログを更新するきっかけでした。

 

いや、本当に多いのです。

実は今週2回ありまして、、、ちょっと声を大にして言いたくなった、、、

 

そして「天才てれびくん」に関しては、ツイッターに書いたとおり

姉妹番組ですが、スタッフも出演者も収録現場も全く別の番組で

私は憧れてたし大好きだったけど、出れなかった(というかオーディションを受けさせてもらうことすら出来なかった)番組です。

てれび戦士はすごいです。

ビットルズは毎週土曜、多くて日曜も、、という具合の活動頻度でしたが

天てれはレッスンとかも含めてほぼ毎日お仕事だったのではないかな。

(もちろんNHKの教育番組なので、学業を最優先にしてくれるのですが)

 

てれび戦士は大好きだし、憧れでした。今もです。

 

今もドラマや映画で前田公輝さんや岩井七世さんをお見かけすると嬉しくなるし

りっぴーが紅白出た時なんて涙目で正座して見てたし

中田あすみちゃんや佐久間信子ちゃんが見たくてピチレモン買ってたし

引退された方々含めて、皆さんもうアイドルですしヒーローです。

私の子供時代のキラキラした思い出です。

 

 

テレビ戦士、なりたかった、でもなれなかった。

 

 

 

 

 

その代わり、私はビットルズになれた。

 

 

 

なので、、「天てれ間違い」は結構悲しいよ、というお話でした。

 

何よりも、「元てれび戦士」だと思って話しかけてくださった方を否定しなければならないのが辛いです。その後楽しい話に持っていけない

 

(私をてれび戦士と勘違いする方は100%天才ビットくんを知らないです。

何故なら、天才てれびくんに渋江夏奈というてれび戦士がいた、という記憶があるから話しかけてきてるわけではないからです。

あの人そうらしいよ、という噂を耳にして、なんとなく名前聞いたことあるテレビに出てた芸能人?!ってテンションなので、、、)

 

 

これからも、私は勘違いをしてる人に対して恐れず番組の説明をして間違いを訂正させて頂きますが

 

天才てれびくんにもビットくんにも

 

いつか、作曲家として関われる日が来たら

それはもっと幸せだな、と思う今日このごろです。

 

 

 

 

 

 

で、話変わるのですが

 

ビットルズとして活動していた当時、ボーカル&ベースを担当した熊本野映ちゃんは

劇団ひまわりに所属しており、同じひまわりの同い年の女優さんと二人でブログをやっていました。

野映ちゃんが劇団ひまわりの舞台「家なき子」に出演した時にその女優さんがアーサーという体が不自由な少年の役を演じられていて

私はその歌声と、まっすぐな演技力にうちのめされて

ファンになってしまって

野映ちゃんとその子のブログもいつもチェックしてたし、家なき子の再演も見に行きました。

 

 

その、女優さんというのが

 

 

 

石川由依さんなんです。

 

 

 

と、いうわけで!!!!!!!!!!!!

 

13年?くらい前から大ファンだった石川由依さんがヒロインを務めるアニメ「デビルズライン 」は4/7(土)から放送開始です!!!!

音楽を担当させていただきました!!!!!!

 

 

 

この話ずっとしたかった。もうしてたっけ?

ともかく!!!

 

ご覧ください!

 

 

devilsline.jp

 

 

よろしくお願いします!!!!

 

 

 

 

 

 

 

ライブのお知らせ

 

 

なんとまた1ヶ月も空いてしまいました……

 

飽きてるわけではないのですよ?ブログ。

飽きてるわけではないのです!!!

 

orz

 

 

来週に迫ったライブのお知らせです。

 

澁江にしては珍しく、サーポートキーボーディストをやっております。

 

歌手ギラ・ジルカさんのファンキーナイト。

「ファンク」といっても、ディスコなファンク!踊れるライブになること間違いなしです。

 

注目すべきは素晴らしいリズム隊のメンバー。

ピアニスト・宮城純子さんの呼びかけのもと、日本の音楽界を代表するベーシスト・高水健司さんとドラマー・渡嘉敷祐一さんとご一緒させて頂きます!

 

 

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曲目は

ジャクソン5ドナ・サマー、クィンシー・ジョーンズ、スペクトラム、、などなど。

更にはギラさんのオリジナルナンバーなどもお届けします。

ピン!と来る世代は恐らく私の父・母の世代なのですが…知らなくても絶対踊れます!

 

ぜひぜひお越しください!

 

ご予約はブルースアレイまで。

http://www.bluesalley.co.jp/i/index.html

 

 

お待ちしてます〜!

 

 

 

 

デビルズライン PV!!

 

なんと今年初めてのブログ更新となってしまいました…

怠慢です。

ひとえに私の怠慢です。。

 

生きてます。

 

最近は色々あったのですが…なんといっても!!

 

まず、先々週にアニメ「デビルズライン」の録音が無事に終了しました!

 

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まず初日、

東京音楽大学の先輩でもあり憧れのミュージシャンだった

ドラマー 今井義頼さん

ベーシスト 森田悠介さん

お二人のリズム隊レコーディングをしました!

(後から知ったのですが、なんとお二人は高校生の時からコンビだったそうで…!!)

 

プレイのエクストリームカッコよさはもちろんのこと

楽曲に合わせ、楽器やセッティング、音色など様々なアイディアをくださり

一緒にデビルズラインの世界観を考えてくださいました。

 

ドラムやベースといったいわゆる「リズム隊」の楽器は、楽譜を作る際

弦楽器や木管楽器といったクラシックの楽器とは違い

あまり譜面に多くの事を書き込みません。

リズムのジャンル、テンションの高さとか全員でキメたいとこなど、必要最低限の事しか書かず、ある程度ミュージシャンにお任せする余裕を作った方がはるかにかっこよくなります。

その分、出来上がりはその人のセンスや音色の影響を濃く受けます。

 

今回、私がイメージしていた「デビルズラインの劇伴」にはお二人のプレイのイメージがドンピシャでした。

事前に、お二人の音源や演奏動画を聴き漁り

自分の書きたい音楽の方向に

お二人のカッコよさがハマるようイメージしながら楽曲を作っていったので

 

出来上がりは、もう

 

「とんでもない二人ですね、、」

とミキサーさんもこぼすほどの素晴らしいものとなりました。

 

デビルズラインのアクションのスピード感とか、安斎さんの型にハマらない勢い、日常を破る危機感、人と鬼を取り巻く人々の不安…
作品のそういった状況やキャラの心情を掻き立てるのに、お二人は私が楽譜に書いた以上の事を表現して演奏して下さいました。

 

更に2日目のレコーディングでは

吉田宇宙ストリングスの皆さん

Fl.高桑英世さん

Ob.最上峰行さん

Cl.中秀仁さん

Hrn.西條貴人さんチーム

に演奏して頂き

 

また、各スタジオで

Gt 吉本潮さん&原ゆうまさん

 

にも演奏して頂きました。

 

私が想像していることの更に上に連れてってくださるミュージシャンの方々には本当に頭が上がりません、、、

 

早く、皆様にも聴いて頂きたい!!

 

 

この、この想いをどこに解放すれば、、、!

 

 

と、思ったらPVが公開されちゃったのです!!!

 

こちら!!!!

 


TVアニメ「デビルズライン」ティザーPV

 

流れているのは、デビルズラインのメインテーマの曲です。

この曲は、安斎さんとつかさちゃんの

近付きたいのに近付けない、切ない想いに寄せた曲です。

アクション曲や心理サスペンス曲が多い中、このメインテーマの持つ切なさは特別で唯一無二な感じとなっています、、、!!!

 

 

私が制作に関わる段階はもう終わってしまったので

あとは、皆様と同じように一視聴者として

続報を待ちたいと思います。。。!

 

 

 

 

4月が待ち遠しいですね。

 

今年は素敵な春になりそう(❛ᴗ❛)✧ 

 

 

 

 

 

それでは久しぶりのブログ、これにて。。。

 

 

 

「マチ工場のオンナ」最終回ありがとうございました!!!

 

 

昨夜

ついに、最終回を迎えました。

NHKドラマ10「マチ工場のオンナ」。

 

 

なんと昨日、Twitterで「#マチ工場のオンナ」がトレンド入りするという事態に!!!

おめでとう!!!!!!㊗️🎉🍭🙌💓🍰🌈🐰✨

祝!!トレンド入り!!!!

大盛り上がりでしたね。

 

最後の週は、第6話と最終話を2話連続で放送するという変則的な編成でしたが

社長の急逝から波乱を乗り越え順調に進んできたダリヤ精機がリーマンショックを迎えバラバラになってしまう、本当に本当にしんどい6話から

大逆転が起こる最終話へとすぐに繋がることができ

逆に、勢いを絶やさずにドラマに引き込むことができたのではと。。。思っています。

 

今は、本当に終わってしまった、という

空っぽな気持ちと

もう有元社長や純ちゃんかっちゃんに会えない気持ちで

少し、寂しく感じていますが

 

「マチ工場のオンナ」に教えてもらったことは

『諦めずに、前に進む。最後の最後まで、やれることを探して動く』

ということ。

 

私も、次の自分のやるべきことに向かって進みたいと思います。

 

原作の「町工場の娘」を読んだ時、

中小企業の経営の難しさにすごく共感しました。

私自身も、「作曲家」という個人事業主をしています。

仕事が波に乗ってたくさん依頼を頂けることもあれば、閑散期が訪れることもあります。

そんな時、順調な隣の芝生が青く見えていじけてふてくされてしまわず

 

開かずの倉庫をスタジオに改築し・・・

みんなでサッカーをし体を動かして体力作りをし・・・

 

という、諏訪社長のエピソードには、景気や波にマインドを左右されない強さが大切だということを教えて頂きました。

このエピソードが出てきた6話は、とても印象深いです。

 

しかし7話、そんな有元社長もついに会社を畳む決意をします。

 

大ちゃんと電話で話すシーンに流れているピアノソロの曲ですが、これには実は裏話がありまして・・・

 

この曲は、お父さんがそっと背中を押してくれるイメージで作った「私を、見ていてくれますか?」のピアノソロバージョンです。

これは実は、レコーディング最終日、音響デザイナーの菊地さんが突然「録ろう!」とリクエストして下さり、急遽私がその場でアレンジして録音したものでした。

 

最初のテイクでは、ちょっと元気良すぎるアレンジになってしまい

 

もう少し、しっとり・・・というリテイクを頂き、2回目

 

実は最後の方、「ポロロン」という和音のアルペジオを弾こうとしたら「ポ ロロ」

みたいになってしまって、やり直したい!!と私は言ったのですが

全体的な雰囲気はとても良かった、とのことで修正もされず、

2テイク目一発録り・無修正のテイクが採用されました。

 

マチ工場のオンナの劇伴のピアノは全て私が演奏しているのですが、ピアノソロの曲はクリックも使わず、私が心の赴くままに演奏し

音響デザイナーの菊地さんに修正やOKを出して頂きました。

やはり、演奏者自身が演奏していて思うことと

スピーカーを通して、その音源を実際に使う方が思うことには

少し違いがあるので

こういう時は、作曲者であり演奏者である自分の感覚よりも、音響さんやディレクターさん達の意見を尊重します。

(もちろん私が超若手なのもありますが・・・・・・・)

 

しかし、実際ドラマで聴いてみると自分が失敗したと思った「ポ  ロロ」はどこかに行ったのか・・・?全然気になりませんでした笑

そういうものですね。

 

 

音楽だけでなく、演じられていた方々の熱演も本当に素晴らしかったドラマです。

個人的に、最終的に大好きになっちゃったキャラクターは断然長谷川さんです。笑

悪役と見せかけて・・・大根磨いてるじゃん笑

という。

 

実は、私は音楽を作る段階では4話以降の台本を頂いておらず

長谷川さんはまだ、ただただちょっと嫌味な銀行員だったのです。

まさか、7話までであんなお茶目なキャラクターに変貌を遂げるとは・・・笑

 

「長谷川のテーマ」

という曲もあるのですが、これは前半のキレキレで

有元社長に「お前」とか言っちゃう長谷川をイメージして作ったので

ちょっと・・・最後のキャラクターとはずれちゃったかな。

でも、この曲も色んな場面で使って頂きました。

作曲者の意図やイメージとは違う場面で思わぬハマり方をする・・・というのも

劇伴を作っていて面白いと思う事の一つです。

 

「マチ工場のオンナ」に関わってから放送が終わるまでの5ヶ月間、

音響デザイナーのみなさまがた、演出のみなさまがた、プロデューサーさま、

それから実際にお仕事中の工場を見せて下さった諏訪社長さま

そして原作「町工場の娘」の日経BP社さま(たくさんツイートして下さってました!)

 

このドラマに関わるたくさんの方々の愛と情熱に包まれた5ヶ月でした。

 

 

ドラマの制作って

思いもよらないところで人が作用しあって

生き物のように作品自体がむくむくと成長して動き出して

その過程をみんなで見守って

最後は、こんな作品になったね、って

それぞれの場所で見届ける、そんな過程が

私は大好きです。

 

これからも、もっともっと素敵な作品に関わっていきたい。

有元社長に、たくさん前向きなパワーをもらったので

「たあけっっ!!」って言われないよう

これからも頑張ろう!

 

落語心中から始まって、それを見ていた音響デザイナーさんからお誘いを受けたマチ工場のオンナで終わった2017年。

一つの作品が、また「新しい明日」をつないでくれることを、実感しました。

 

そう!大晦日、紅白歌合戦松田聖子さんが主題歌「新しい明日」を歌われます。

マチ工場の映像とかちょっと流れたりしないかなー(´・ω・`)

有元社長に会いたいなーーーー。。。

 

いやいや!前に進むのだ!

 

 

本当に幸せな2017年でした。

最後までご視聴頂いたみなさま、ありがとうございました!!!

 

 

 

 

再放送のリクエストをNHKへぜひ(❛ᴗ❛)✧ 

 

デビルズライン

 

こちらでは何も書いてなかった、、、

 

先週、20日に情報解禁になりました!

 

devilsline.jp

 

 

来年4月より放送の

アニメ「デビルズライン 」の音楽を担当させていただきます!!!!!

 

 

安斎さんとつかさちゃん

 

二人の危うさとか、近づきたいのに近づけないもどかしさ、

それら切なさの渦に一読者として原作にのめり込んでいます。

「人」と「鬼」が混在し、暴力と恐れが広がっていく世界で

それでも男女は愛し合うのですが、みんなそれぞれ色んな理由で単純に愛することができない。

広いようで狭くて、たった二人の心が触れ合ってる部分にフォーカスを当てて行きたい、

それが今回、劇伴を作るにあたって一番気をつけているポイントです。

 

今はまだ、、、どんな音楽を作っているかとかは内緒にしておきますが

 

打ち合わせで監督さまに言われた

「世界の広さは文京区くらい」というお言葉が非常に頭に残っています笑

 

声優さんがあまりに豪華キャストすぎて、2017年最後のとんでもなく嬉しいプレゼントになりました。

もう、大好きな声優さんたちばっかり!まさに俺得!

それから劇伴に参加してくださるミュージシャンも、ずっと憧れてた先輩方が来てくださることが決まって

すんごく喜んでいます。

曲を作りながら、この人はこういうプレイするだろうから、生かすためにここをこうして〜なんて考えて当て書きできるのは、作曲家としてすごく幸せなことです。

制作も頑張って進めていきます〜💪

 

 

 

それから明日、29日は

「マチ工場のオンナ」第6話と最終話の連続2本立ての放送もあります!!

今年は、色々なことがあって、このような放送となりました。

2時間のボリュームはなかなかですが、、、こちらもぜひ!ご覧いただけたら幸いです。

そうそう!紅白歌合戦で、松田聖子さんの歌唱曲がマチ工場のオンナの主題歌「新しい明日」に決まりましたね。

これも嬉しいサプライズでした。大晦日まで、マチ工場に浸れるなんて、、、

これも、私にとってとても大事な作品なので嬉しいです。

 

よし!では、デビルズの制作に戻ります〜

 

 

 

「マチ工場のオンナ」の劇伴ができるまで

 

昨日、第4話が放送されました

NHKドラマ10「マチ工場のオンナ」、皆さま楽しんで頂けておりますでしょうか。

実話が元となっているこのドラマ。

私は毎週楽しみでもあり、不安でもあり、、

多くの方にドラマと劇伴を楽しんで頂いてることを、祈るばかりです。

 

さて、今日はそんなマチ工場の劇伴がどうやって作られていったかをご紹介したいと思います。

 

ドラマの劇伴は、主にこんな感じで作られています。

 

(図1:登場人物相関)

f:id:kana_shibue:20171216014805j:plain

 

NHKの場合は、音響デザイナーさんという肩書きのみなさまがドラマの効果音から劇伴まで、音に関することを全て担当されています。

以前ちらっとここにも書いたのですが

このマチ工場を担当されている音響デザイナーさんが、大のアニメ好きでいらっしゃり、落語心中も見ていて私のことを覚えていて下さったようです。

そして今回、ドラマの音楽を「ジャズテイストにする」という方向性にあたり、候補に名前が上がり、、、制作のみなさまとの会議の上、、私に決まったようでした。

大体いつも作品のためのデモを作ったりしてから決まる(落語心中の時は13曲デモを書いてから決まった)ので、今回いきなり「ドラマの依頼があるよ!」と事務所から電話をもらった時は

「えぇ〜〜〜〜😵いきなり?!私で?!大丈夫なのか〜〜??!!」と思いました。

その不安は、的中するのです。

そののち私は大いに、悩み、苦しむこととなるのです。

 

劇伴のオーダーは主に2つの点が重要なポイントでした。

・町工場の機械の油臭さ(これがかっこいいのですが)を感じる

・でも女性らしさを感じること

 

そして、それらをジャズテイストで。

というオーダーで

主に打ち合わせではその「ジャズテイスト」とはどのようなサウンドであるか、ということなどをお話しました。

「ジャズ」といっても、色々なジャズがあるわけで、、

オーソドックスなジャズを目指すのか、劇伴としてのジャズを目指すのか?

どんな楽器を使うか、民族的なアプローチもありか?

金属音をサンプリングして使うのもありか、、、etc.

 

まとめて、「町工場感と女性らしさを感じるジャズ」とは???

 

 

😵

 

分からない😵

 

 

そもそも町工場ってどんな?

機械っぽいジャズ?

女性らしいってことは、、重心も軽め?ってことはスイングじゃない?

 

というわけで町工場っぽいジャズの曲をとりあえず書いてみたものの、、、

 

『コレじゃない感』

 

(図2:焦る澁江)

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結論は出ぬまま、8月半ばの打ち合わせからは半月が過ぎてしまい、9月の頭

 

私は、原作「町工場の娘」を書かれた諏訪社長率いるダイヤ精機さんを実際に見学させて頂きました。

そこで、ドラマの内山理名さん演じている「有元光」のモデルである諏訪社長にお会いし、そして初めて「町工場」という場所に足を踏み入れたのです。

 

実際に動く機械、そして職人さんが作業しているところを見させて頂いた私はようやく「なるほど」と、思ったのです。

機械油にまみれた古い機械が動いているのを見た時、頭の中にバリトンサックスとバストロンボーンの音が聞こえたのです。

でも、重いわけではなく、ザクザクと前に進んでいく音。

ファストスイング、マイナーコードから始まるメロディー、中音域で密集してる積み方、、、などなど音のイメージが湧いたのです。

 

しかしここからもまたまた大変で、、、

 

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なんにせよ、澁江はまだまだ経験不足なのです。

劇伴としての温度感とか、ドラマの「メインテーマ」として必要な構成、などを捉えることができず

音響デザイナーさんと何度も何度もやり取りして、メロディーの方向性、構成などを修正していきます。

 

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そしてvol7でしょうか。。。やっとOKが出たのが、今ドラマで流れているメインテーマです。

メインテーマの修正をしつつ、サブテーマやそのほかのカテゴリーの曲を書き進めて行き、、、

全部で38曲書きました。

 

えーーーっと。。。ほ、ほんとうに、たの、たのしカッタ。。。デス。。。

 

というのは冗談で、、やり取りが本格化してからは自分が今まで生きてきた中で心の底から全力を尽くした一ヶ月間だったと思います。

劇伴は、決して作曲家一人で書けるものではないのです。

音響デザインさん(音響効果さん、音響監督さん、名前はそれぞれですが)との二人三脚であり

素晴らしい音響デザインさんとお仕事すると、自分が書けなかったものが書けたり、自分でも知らない自分の引き出しを開けてもらえたりするのです。

 

そのほかにも図1参照、事務所の方々のサポートあり、私を選んでくださった演出家の方々のおかげであり

 

このような多くのプロセスと多くの人の助力を得て、やっと自分の名前が「音楽 : 澁江夏奈」と放送されるのです。

 

ありがたや。

 

 

 

 

と、こんな感じでマチ工場の劇伴はできていったのですが、伝わったでしょうか。

 

ちなみに一番最初に書いた『コレじゃない感』の曲は、ちょこっとリアレンジして別カテゴリーの曲に採用されました。

どの曲かは、、秘密ですが、今まで2回登場しており、どちらもシーンにぴったりで嬉しかった。

メインテーマには向いてないけど、脇役としては優秀だった。

ということなのでしょう。

つまり、メインテーマにはパワーもアクも強くて、キャラクターがはっきりしている曲が求められるということですね。主人公だものね。

 

そしてそんな曲が書けたのは、私一人だけの力ではないし、

ドラマに携わる全ての人の想いが詰まっています。

 

 

 

それでは「マチ工場のオンナ」もう残り3話ですね。。。

 

ダリヤ精機はどうなってしまうのか?!

かっちゃんは?!純ちゃんは。。。?!

 

2017年のドラマ納めは「マチ工場のオンナ」で決まり!!

最終回まで、一緒に楽しみましょう!